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写楽ブログ
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リー・ミンウェイとその関係展

 

休日に行って来た休憩です。

 

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リー・ミンウェイとその関係展

 

 

台湾出身のリー・ミンウェイは、観客参加型のアートプロジェクトで数々の国際展に参加してきました。本展は、リーの作品を網羅的に体験できる初めての大規模個展ということでとても意欲的な企画です。
アートは、こうあるべきだという概念を脱ぎ捨てて体験してみる必要がありますが、脱ぎ捨てるのはそう難しくありませんでした。

 

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一番わかりやすいもので〈ひろがる花園〉という作品があります。部屋に入ると生花が花壇に生けてあり、こういう指示が出されます。

 

よければ花を1本取ってください。ただし、二つお願いがあります。
・来た時と違う道で帰ってください。
・そこで出会った知らない人に花を渡してください。

 

と、こんな感じです。 私は、初めこれを見た時「くだらないな〜」と思いました。 しかし、いざ花を一輪取った瞬間から確実に世界が変わりました。 これを誰に渡そうか、変に思われないだろうか、どんな人がいいか、、、 とたんに楽しくなったのです。 展示室の中にあった花園が美術館の外へと広がっていくこの作品では、物理的な広がりだけでなく、知らない人に花を渡すことで心理的な広がりが生まれます。他者にギフトを贈ることで、観客の心の中の何かを変えてしまうのです。

 

 

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もう一つ、とても面白いと思ったのは《石の旅》です。リーさんが拾ったきれいな石を11個持ち帰りその複製を作り、自然の石と並べました。その作品を購入した人に一つの指令が下ります。

二つの石のうちのどちらかを捨てなければならないのです。

初めこれを見た時また「捨てるのは自然の石の方に決まってる」と思ってました。 しかし、〈ひろがる花園〉を体験した後にリアルにこの作品を買った人の気持ちを理解しました。 7千万年の歴史がある自然の産物とリーさんが作った作品という模造品のどちらに価値を認めるのかという問題を強要された上、どちらかを捨てない限り、決して安くはない対価で購入した作品を完成させることはできません。今のところ、誰も石を捨てた人はいないとのことですが、きっとこの作品の所有者は、そのザワザワしたジレンマを楽しんでいるでしょう。私が、花を誰に渡そうかワクワクした様に。

 

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こんな感じで、多くの人に発信するのではなくごく少数の為のアート作品なのでとても面白い企画のわりに人気は今ひとつのようで館内はとても空いていました。おかげでゆったりと鑑賞できましたが、興行的には失敗だったかもしれません。
今までにない意欲的な企画をしてくれた森美術館に感謝です。

 

 

リー・ミンウェイとその関係展
: 参加するアート―見る、話す、贈る、書く、食べる、
そして世界とつながる
会  期: 2014年9月20日(土)-2015年1月4日(日)
会  場: 森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)